徒歩・徒然

2001年1月上期


2001年1月1日(月・祝)

新しい年。新しい世紀。
これから続く時の流れが、すべての皆様に、微笑みを届けますよう。


日本テレビの年越し演出について。
(「あれは演出である」というきちんとした広報を僕は眼にしていませんが、どう考えても、あんな間違いは起こるはずがないので、演出だということにして書きます)

僕は、職場のテレビで、画面だけをチラッと眼にして音を聴いていなかったので、当初はなんだか分かりませんでした。勤務が明け、家に戻ってから、いろいろ調べてみました。どうやら、2分進んだ時計をずっと見せておいて観客や視聴者をその気にさせ、本物のNTT時報を聴かせてドッキリさせるはずだったのに、段取りが少々上手く運ばなかったようです。で、観客は白ける、視聴者は誤解する、というややこしい事態になったみたいなのでした。

掲示板にも書きましたが、意図が不明。2分早く新年を訪れさせることで、どうしようというのでしょう。どこが面白いんでしょう。「やーい、だまされたー」っていう歳でもありますまいに(でも“電波少年”ってそういう番組でしたっけか。毎週ちゃんと見てるわけじゃないので良く知りません)。
そして、少なからぬ人が、あれを見て気を悪くしたようです。「テレビ局側が間違えたのだ、けしからん」と言っている人だって、おそらくいるでしょう。

「あんなので騙されて怒るほうがどうかしている」と平凡なこと言って片付けるのは簡単ですが、テレビというメディアが人々に及ぼす影響の大きさを考慮すれば、ことはそれで済む話ではないのです。不特定多数の人が受信できるテレビ電波で遊ぶには、それ相応の認識と、事前・事後の的確な処理、そして、遊びの内容自体の真剣な吟味と正確な実行が必要です。今回の出来事は、その全てが不完全な、非常に情けない仕事であると言わざるを得ません。

「これで抗議の電話を掛けたりしようものなら、それこそ製作者の思うツボだ」といったありふれた意見もちょくちょく目にします。確かにそれは正しい。ギャーギャー言ってくる意見者に対して、製作者側は「このバカが」とほくそえんでいるに違いない。もっと言えば、「番組で世の中が動いた」と勘違いしているに違いないんですが、そんな傲慢が半ば容認されているような空気って、やっぱり問題だと思います。


新年最初の日から、なんだか辛気臭い ものかき でした。
雪が積もってます。


2001年1月2日(火)

道路は凍りつき、冷たい風が吹きつけ、氷の上に薄くかぶさった粉雪が巻き上げられ、街灯がそれを照らして、幻想的な風景が作られる。

家を一歩出ればそんなものに突き当たるんですから、なかなか ふるって います。
おおさむ、こさむ


2001年1月3日(水)

NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 1月号の最初の特集は「皇居」。

良く知っているようでいて、本当は全く中が窺い知れない所。今回の記事を読んでも、その印象に変わりはありませんでした。
垣根が高いのは、国内の取材者相手でも、海外の取材者相手でも、同じみたいです。

ただ、ベールに包まれたあの緑の敷地の中で 日々 務めを果たしている人が、たくさん紹介されているのは新鮮でした。
植物たちの面倒をずっと見続けている人のこと、警備に当たる人々が訓練の一環として取り組んでいる弓道や剣道のこと、海外の人の目にはどう映るんでしょうか。


ER (アメリカNBCで放送中のテレビドラマ) のDVDをしつこく見ていたら、いつの間にか夜になっちまったい。


2001年1月4日(木)

雪だ地震だと、日本海側各地は一日大騒ぎでしたが、秋田市は平穏無事に過ぎていきました。風と雪は、いつもこんなもんです。

ともあれ、あした早いので寝ます。


2001年1月5日(金)

油断していたら、大雪が秋田にもやって来ました(と言っても、秋田市内はそんなでもないです。30cm程度)。

勤務が終わって帰ってきたら、ちょっと歩いただけなのに、体中これ雪まみれ。そのとき降ってたのは、いわゆる“水雪”で、車や建物や人の体に簡単にくっついてしまうんです。
なんとか上着やズボンに付いたやつを払い落とし(それで、くっついた雪は全部おっことしたつもりになってた)、玄関から中へ。
そしたら、ちょっと下向いた拍子に、頭から雪が パサッ と床に落ちました。
鏡を見たら、帽子でもかぶってるみたいに頭が真っ白。
ちょいと。勘弁してくださいよ。


2001年1月6日(土)

畳の部屋で昔ながらの装束をつけて展開される競技で、「ダブル」とか「クイーン」とかいう単語が飛び交うのは、聞いていて不思議です。(競技かるた名人戦にて)


2001年1月7日(日)

映画もIT
(もともと朝日新聞の記事ですが、あそこのサイトはすぐに記事を消してしまうので、リンクを張るのはCNNの方にします)

劇場配信用作品のみの映像とか、家庭配信だけにつく特典とか、っていう話が当然出てくるんでしょう。ただでさえ映像メディアが増えて混沌としている現在の映画の状況が、ますます収集つかなくなりそうな気がします。
それから、家庭用ビデオで行ったVHSとベータの競争とか、今やってるDVDオーディオとSACDの競争とかと同じことを、やっぱり繰り返さなければいけないんですかね? 競争しなければ企業の未来はないということでしょうか。「複数のソフトウェアを用意しなければ、全ての映画会社のフォーマットには対応できません」なんて状況だけは作り出さないで欲しいものです。

なんにせよ、“ハードディスクに保存された映画作品”って、なんだか、ありがたみが感じられなくて、どうも欲しいと思えません。一足先に始まった音楽についてもそうなんですが、電話線使ってウチのパソコンに送ってくれなくてもいいよ、と言いたくなるんです。
(でもそれなら、あんたが持ってるCDはどうだ、DVDはどうだ、小さなディスクに詰め込まれてるのは一緒だろ、って言われそうですが。それについては、筋の通った説明なんか出来ません。結局は、古い物をありがたがって新しいものを受け入れまいとする、勝手な思い込みなのかも)


2001年1月8日(月・祝)

どうでもいいですが、「冠婚葬祭」の“冠”が、要するに成人式のことなんですと。無知は恐ろしい。


X-Prize

宇宙旅行コンテストです。18の企業や団体がエントリーされ、一番先に宇宙旅行を実現できるのはどこかを競い合っているようです。

ルールがいろいろ定めてあって、ページを見ると

なんていう文句が読み取れます(かなり適当に訳してます)。
ま、つまり、求められているのは「弾道飛行」で、地球を周る軌道には、とりあえず乗せなくて良いことになっています。

これで果たして宇宙旅行をしたことになるのか、とか野暮なことは言わずに、成り行きを見てみたい。だって、楽しい企画じゃないですか。
成功には、かなりの時間がかかるでしょう。かつての国威発揚競争の宇宙開発と違い、歩みは鈍いと思われます。でも、普通の人でも気軽に出来る宇宙旅行が実現するなら、そのきっかけを、この企画が作ってくれるかも知れません。

とてつもない夢を見る力。その夢を叶えてしまう力。それを持って生まれてきているんですね。
人間って、すごい。


2001年1月9日(火)

なんてったって今朝の気温が氷点下7度1分ですよ。

街の景色は澄んでて良かったみたいなんですが、こっちは生きて行くのに精一杯です。


2001年1月10日(水)

小銭が無い!

と財布の中を引っかき回したら、お、あったー!

と取り出してみたら、お隣のおカネだ!

色といい、大きさといい、厚みといい、あのギザギザといい。財布に縦に入っているのを横から見たら(ややこしい)、100エンと100ウォンは良く似てるんですよ。
あんたも、いいかげん財布から出してどっかにしまっときなさい。


2001年1月11日(木)

Dancer in the Dark
(日本語のサイトはこちら→www.dancerinthedark.net

見に行って帰って来ました。

映画館を出ると、冷たい北の風が少しの遠慮も無く僕に向かってやって来ました。
積もった雪が鏡のように磨かれた道を辿りながら、ずっと考えていました。

この感じは、なんなのでしょう?

なんか、おかしいのです。
良い映画を見て帰って来てるはずなのに。
僕には、そう、「違和感」としか言えない気分が、ずっと付きまとっていました。

家に戻って、落ち着いて座ってみます。

冒頭。真っ暗の中に響き渡る“序曲”。
いま考えると、僕がちゃんとついて行けたのは、たぶん、その序曲が終わるまででした。
いっそあのまま、真っ暗のまま最後まで進んで行ってくれれば、すっきりしていたかも知れません。

もちろん、流れてくる音楽は素晴らしい。冒頭の序曲から、“最後の”曲まで。
画面作りも、手持ちのカメラで適当にやってる振りをして、その実、生きた形になっている。
そして、音楽のシーンの、あの緻密さ。どんな所をも舞台にしてしまう、あの鮮やかさ。
空想は、巧みに現実と交差し、ついには混ざり合ってしまう。まさに“映画”です。

でも、
僕の心は、「違和感」でいっぱいです。
これだけは、どうしても拭い去れない気がします。

先月の初めの頃から、この映画に関して、あちこちで感想を目にするようになりました。
そこで、この映画を薦めてくれた人。その人たちに、僕は、敬服しつつ謝らなければなりません。
僕は、この映画を、本当に受け止めることが出来ませんでした。
出来ることなら、僕も、この映画を人に薦めたい。それだけの価値がある作品だということだけは、僕にも分かります。
しかし、残念ですが、口惜しいですが、僕に、その力はありません。


それにしても、頭に来るのは僕と同じ列に座ったオヤジ。
上映中に、ギンギラギンの光を放つ携帯電話を取り出して、いじったりするんじゃない!
なにを考えてるんだ、まったく。


2001年1月12日(金)

今日は、すさまじかったです。

気温が氷点下3度くらいまでしか上がらなかったのに加え、やたら強い北西の風が吹いてきて雪も交じり、街は大変なことになっていました。どうかすると、空と地面からの雪で何も見えなくなることがありました。

困ったのは、風に向かって歩かなければならない時です。ただ立っていてさえ体があおられるくらいの風なので、脚を思いっきり踏ん張らなければ前に進みません。ところが、場所によっては下が凍り付いているので、足が滑ります。姿をご想像下さい。もう、コメディの一場面です。よく転ばなかったものだと、感心しています。

そんな中、交差点で信号待ちをしていると、宣伝カーがやって来ました。

「……信じれば、神の恵みが……」

こんな時、信じられるのは自分の体だけじゃないですか。
恵みでもなんでもいいから、この痛い風と雪を何とかして下さいよ。


2001年1月13日(土)

世界の車窓から」が、いつの間にやらHDでの撮影を始めていました。おそらく、衛星放送を睨んでいるんでしょう。

カラーテレビのように気軽に受像機が買えるのは、いつになりますか。

※ High Definition
普通に言うところのハイビジョン。
従来方式をSDTV ( = Standard Definition)、この方式をHDTVと呼んで区別することがあります。

2001年1月14日(日)

今シーズン初めての新米を入手。今日はその「炊き初め」です。
これまでの経験則で、水を減らす按配も問題なし。うん、こんなもんでしょう。

それはそうと、部屋のエアコンの調子がおかしいんです。
運転してしばらくすると(その時間は不定)、表面のランプが点滅して止まってしまいます。おそらく、全般的な掃除が必要なのだと思います。なにせ、ここに入ってから一度もやってませんから。
掃除に取り掛かかろうとしなかったのには、それなりの理由がありまして、ここのエアコンの室外機はアパートの外壁の2階の高さに取り付けられていて、地面からも窓からも遠く、簡単には手が届かないのです。内と外をつなぐ管にしても然り。室外部分は、おそらく、どこかの業者に頼まなければ無理でしょう。
(しかし、この雪と寒さではねぇ……)

とりあえず、室内側の掃除だけでもやってみますか。なんとかしないことには冬が越せん。


2001年1月15日(月)

秋田は今日から3学期。


以下、聞きなれない単語も沢山出てくると思います。興味のない方、ごめんなさい。

このところ、スピーカーの調子がおかしかったんですが、なんとなしに落ち着きました。
なぜか知らないけれど、L側の出力が突然、ばたばた変動するという現象。しかし、ヘッドホンで聴くと何の問題もないので、アンプのスピーカー出力系から先の不具合だと判断しました。

まず、点検すべきは、スピーカーケーブルの締め付けから。アンプ側は、ぎゅっと締め付けをきつくしてみました。次はスピーカー側です。
スピーカーはJBLS2600、ケーブルはBeldenSTUDIO727を使っているのですが、この組み合わせの問題点は、ケーブルの芯線が太すぎて通常差し込むべき端子の穴に入らないことです。端子の部品を取り替えればいいのかも知れませんが、その前に現状で何とかならないもんかと、バナナプラグを差し込む部分にケーブルをそのまま突っ込んでみました。これが、なかなか具合よろしい。芯線の太さは金具にバッチリ合います。おまけに被覆が、これも固定用ネジの穴にピッタリとはまります。よし、これで行こうということにして今に至っています。
ただ、いかんせん、ネジでしっかり留めているわけではないので、何かの拍子に接触不良を起こすこともあるのでしょう。今回、今一度、接続を点検して、簡単に抜けないぐらいに調整もしてみました。

そしたら、どうやら現象が止まったみたい。この程度の対策で解決することだったんかいな? とりあえず、この状態で様子を見ます。


ついでながら、我が家のシステム構成のご紹介。
こんな環境で、CD聴いてます。

CD PlayerESOTERIC : X-10WD(VRDSの効果の程は未知数。型落ち寸前の展示品を安く手に入れた)
Audio cableaudio-technica : AT6A58B/1.0 NEUTRIK製コネクタ採用のバランスケーブル)
AmplifierLUXMAN : L-509s(プリメインアンプ。同価格帯のセパレートとの勝負はいかに)
Speaker cableBelden : STUDIO 727(大抵の店に置いてあるお手軽品だが、性能は折り紙付き)
Speaker systemJBL : S2600(2wayにしては大柄なフロア型。生産完了後に半額で手に入れた)
HeadphonesSONY : MDR-Z900(“CD900”の方を購入したいところなのだけど、ひとまずこちらで)

決して最高の製品ではないが妥協も適当に抑えている、中途半端機器群です。少なくとも、音楽家の皆様が作り出した音は、ちゃんと聴き取れているはず。たぶん。
バランスケーブルを取り入れたのは、我が家はどうにも環境が悪くて、どこかにノイズの発生源があるからです(カセットデッキやDVDなんかは、バランス出力がないからアンバランスで繋がざるを得ない)。
CDプレイヤーにしてもアンプにしても、セパレートで構成したほうが色々面白いのは承知しています。しかし、なにせ、それだけの空間も資金もありません。で、「これだけあれば音が出る」という、シンプルな機器構成にしました。

最初のうち、S2600から出る高音域がきつく、低音の力がイマイチ不足しているように感じていたのですが、エージングで角が取れてきたのか、だんだん気にならなくなってきました。ウチにあるCDくらいなら、ほとんどが問題なく聴けます。ただやはり、3way以上のきめ細かい製品に比べると、クラシックの演奏などには少々難があるような気もします
(スペックを見ると、woofertweeterのクロスオーバー周波数が 950Hz なんですよね。1kHz近辺にあるのは気になりますし、wooferの受け持ち範囲が広すぎるようにも思えます)。
X-10WD・L-509sについては、不満はありません。両者とも良く働いてくれてます。これが僕の分相応の所でしょう。
X-10WDは、DVDプレイヤー(Pioneer DV-S6D)を購入した際、CD再生の音を聞き比べて、その実力を思い知らされました。だてに “COMPACT DISC PLAYER” は名乗ってません。


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written by tardy@k.email.ne.jp