“The Golden Compass” を観て来ました。よくよく確かめると 上映時間が112分とのことです。なんだか、随分 あっと言う間に話が終わってしまったなと思ったんですが、どうも、その印象に間違いは無かったようです。物語の背景などの説明が 初めの短いナレーションに どさっと詰め込まれていて、これで大丈夫なのかいなと心配になりました(始まる前に ちょっとした日本語字幕での解説が入るのは、それを気にしてのことなのでは?)。
まぁ、それはいいから、はやく原作の残り2部を読まなくちゃ(4年前に日本語訳の初版が出た時に買ってあったのに、最初の1部、つまり、今回の映画の部分までしか読んでない。ひど過ぎ)。
大学生・高校生の地理的認識の調査報告 ((社)日本地理学界 地理教育専門委員会:PDFファイル)
島根・宮崎・愛媛は3割以上の大学生が分からない、てのも確かに由々しき事態ですが、それよりも、大学生になって東京都やアメリカ合衆国の位置が分からない人が 5パーセント近く居るのが気になります(高校の時に地理を選択していない人だと、それぞれ 93.4% と 94.7% に落ちます。調査した1904人のうち、100人以上が間違えてる)。
こんな知識、むしろ、身に付けないで大学生になる方が大変だと思うんですけど。じゃあ、いったい、この人たちの頭には どんな知識が入っているのか、逆に興味があります。僕の知らないようなことを たくさん知ってるんだろうな。
それとは関係ない話なんですが、今日、とある観光スポットで、おそらく そこの従業員と間違われて、若い(と思ったんだけど、お化粧が だいぶ乗ってる感じだったので、もしかしたら そんなに お若くは なかったのかも)ご婦人方のグループに ちょっとモノを尋ねられました。
まー、その態度がですね……
その人たちも、カネ払ったほうは 払ってもらったほうに どんな態度を取っても構わない、という現代の考え方に毒されてしまった可哀想な人たちなんだなと思いました。そら、混雑しててイライラするのは分かるけども、休日に こんなチョー有名な観光地に出掛けて来るんだからさ、多少の行列ぐらい諦めなきゃ。それが厭なら、もっと出掛ける先を選びなさいな。
アメリカ合衆国、どれか分かる? お嬢さんがた。
(いや、ムリヤリ結び付けなくても いいんですけど、悪態の一つも吐きたくなったのですよ。ああいう人達を 四六時中 相手しなくちゃいけない従業員の皆さんは、ホント、大変ですね)
映画 “剃頭匠” (2006年・中)
胡同(フートン)というのは、北京の旧城内にある、細い路地を持った古くからの町のことだそうです。そこで暮らす、93歳になるチンお爺さんは、12歳のころから ずっと現役で理髪師をしている人。この映画の物語自体はフィクションですが、出演しているのは本物のチンさんです。
昔から変わらず ずっと流れている時の流れに、自然に身を任せているような、そんな風情のチンさんの日常は、とても穏やかです。そして、何とも言えない可笑しさと優しさが漂います。人が生きていれば、それは色々と起こります。でも、何か分からないけど 大きなもので包み込んで、ま、何とかなるさ、と流して行くような おおらかさが素敵です。
本当に演技なのか、と思うような自然な雰囲気も、すごいと思います。こんな映画の撮影も全て、優しく包んで流して行く術を知っている方なのでしょう。
邦題:「胡同の理髪師」
監督:哈斯朝魯
脚本:冉平
撮影:海濤
出演:靖奎、張耀興、王洪濤、王山 ほか
今日の試合も、ちゃんと サイトで やってました。
ただ おそらく、投球を計測する機械を 持ち込んでいないか 動作させていないんでしょう。普段出てくる球筋や球速のデータが抜けています。
Oakland Athletics 対 阪神タイガース(東京ドーム)
(3回裏・一死走者なし。投手:Justin Duchscherer, 打者:桧山進次郎, 捕手:Kurt Suzuki, 球審:名幸一明)
昨日の昼の試合は、BS日テレが 野球中継なのに時間を2時間20分しか取ってなかったというヤル気の無さを見せてくれたおかげで堪能できなかったので、今日は直接 球場に出向きました。
上の写真は、席を移動して撮影したわけではありません。ちゃんと僕の切符の席から撮ったものです。
なんと、試合開始30分前に当日券を買って、ネット裏ほぼ中央・前から19列目という、素晴らしい座席になりました。東京ドームで当日売りで こんな席に座れるとは。おかげで、初めて生で見る投手の球を、しっかりと堪能することが出来ました。
Athleticsの方では、6回に2番手で出てきたベテラン Keith Foulke。阪神は、何と言っても藤川球児。この二人の投球は圧巻でした。
それにしても、Athleticsの打者は良く打ちます。彼らが打つ時は日本のボールを使っていたということを割り引いても、打球の鋭さが違いました。福原忍や Jeffrey F. Williams から いとも簡単に点を取り、気が付いたら 10対2で勝っていました(観衆:16746人, 試合時間:3時間7分)。藤川も確かに3三振を奪いましたが、先頭の Dan Johnson の打球は、バットが折れてるのに一塁強襲安打になりました。末恐ろしいとは、まさに このことです。
打線は間違いなく好調でしょう。明後日、ひょっとしたら ひょっとするかもしれませんよ……?
1987年のルーマニア。何処の街かは ハッキリしないけれど、少なくとも田舎ではない。オティリアとガビツァの2人の女性は、学校の寮のルームメイト。朝から何やら、用事に出掛ける準備を2人でしています。
しかし、電話で予約したはずのホテルに行ってみると 予約が入っていなかったり、オティリアは色々と振り回されることになります。その用事というのは、ガビツァの妊娠中絶。違法行為であるため、おおっぴらに行うことは出来ません。
この作品の題名は こちら。
映画 “4 luni, 3 săptămâni şi 2 zile” (2007年・ルーマニア)
タイトルが最後に出てくる作品の雰囲気を少しでも表したくて、ちょっとヘンな書き方をしてみました。
背景にある このころのルーマニアの情勢などは、調べれば分かるんでしょうけども、敢えて、ここでは触れないことにします。それと言うのも、この作品自体、“背景”を説明するような台詞や場面などが一切ないからです。2人の素性なども、ホントの所 よく分からない。
画面は、オティリアの行動を ひたすら追うことに終始します。彼女の行動が映っていないのは ほんの2〜3カットだけ。違う場所や違う時間に飛ぶことも無く、とにかく彼女の行動を追うのです。ナレーションは ありません。字幕も ありません(冒頭の、1987年・ルーマニア というヤツだけ)。音楽も ありません。手持ち撮影も ふんだんに使われています。
そして、画面はシネマスコープのサイズです。広い画面いっぱいに 夜の闇が訪れ、その中をオティリアが急ぐシーンなど、緊迫感が凄まじい。下手に音などを入れずとも、充分に迫力があります。
邦題:「4ヶ月、3週と2日」
監督・脚本:Cristian Mungiu
製作:Oleg Mutu、Cristian Mungiu
撮影:Oleg Mutu
編集・音響:Dana Bunescu
出演:Anamaria Marinca、Laura Vasiliu、Vlad Ivanov、Alexandru Potocean ほか
ヤレヤレ、また車検か。
と嘆いていても仕方ないので、東京運輸支局へ行ってきました。
そしたら、ヘッドライトが下に向き過ぎていました。いじった覚えは無いんだけどな……
Boston 6, Oakland 5 (MLB.com)
(6回裏・無死 走者一塁。 Jack Hannahan が 逆転の2ランホームランを打つ。三塁コーチ:Tony DeFrancesco)
てなわけで、また東京ドームに行ってきました。
一発目から延長戦と、なかなか やってくれます。家に帰ったら ちょうど真夜中過ぎくらいでした。どうせなら、電車が無くなるくらいまで続いてくれたら面白くて良かったんですけど、選手の皆さんも大変ですから、これくらいで良しとしましょう。
得点を見ると大接戦なのですが、どうも、そんな感じがしていません。先発の誰かさんが、緊張感を削いでしまいましたね。それと、両チームとも抑えが心許無いのが気になります。
球場全体が、ほとんど Red Sox の応援団と化していて、Athletics の皆さんには 可哀想な気もしました。試合は Athletics のホームという扱いみたいですから、これでは、ホームゲームを 2試合 損してるようなもんですもんね。9回までは Athletics の目論見どおりに試合が進んだのに、残念でした。うーん、ひょっとしなかったですねぇ……
まぁ、でも、楽しい雰囲気では ありました。明日は、もう少し締まった試合を期待します。
それにしても、何故、あの森喜朗のオッサンが始球式なのか、誰か明確に説明してください。日本プロスポーツ協会の会長だから? 関係ないじゃん。
Oakland 5, Boston 1 (MLB.com)
(Red Sox 打線が ぜんぜん打てなかった、先発 Rich Harden の投球)
Athletics 見事な一勝!
序盤にリードし、継投で反撃を抑え、ダメ押しに得点と、理想的な試合展開でした。攻撃陣は日替わりヒーローが出てくるし、投手陣の出来は良いし、アメリカン・リーグ西地区で 今年も重要な位置を占めるチームになりそうです。
ところで、Red Sox は、昨日に続いて先発投手がピリッとしません。あそこの投手陣、調整が上手く行っているんでしょうか、ちょっと気になります。
ともあれ、遠いところを お疲れ様でした。両チームの皆さんの 今シーズンの活躍を期待します。
映画 「窯焚 ―KAMATAKI―」 (2006・日=加)
父を亡くして、心が不安定になってしまった日系カナダ人のケンは、叔父である、信楽の陶芸家、石川琢磨の元へ しばらく置いてもらうことになります。そこで、信楽焼の仕事を一緒に行い、家の人たちと接するうち、徐々に心が解きほぐされて行きます。
あまり重みの無い“先生”である琢磨は、自由奔放と言うか天衣無縫と言うか、ともかく、芯はシッカリしてるみたいだけど、掴み所の無い人です。なぜか、かなり英語が出来る。だいぶ歳も行ってるくせに、ずいぶん元気。こういうので出てくる お師匠さんは、気難しくて とっつきにくい人間として描かれることが多いですが、全くそんな感じの無い人なので、ある意味、安心して付き合えました。
信楽の山の中の風景が、しっとりとしていて とても雰囲気が良い。神秘的な音楽と相まって、一つ一つの場面が、ゆっくりと、しかも、あまり しつこくなく流れています。その辺りの匙加減は、何となく、僕には合う感じでした。
この作品は、日本では R-18指定 ということになっとるらしいです(ちょいと気を回しすぎのような気もします)。その手の場面を入れなきゃいけないもんなのかと 敢えて考えると、僕なんかは首を傾げざるを得ませんが、ま、あの“先生”を語る上では必要だったのでしょう。
監督・原案・脚本・編集:Claude Gagnon
製作:Yuri Yoshimura、Samuel Gagnon、神崎透
撮影:浦田秀穂
照明:掘亀誠
録音:川嶋一義
音楽:Jorane
出演:Matt Smiley、藤竜也、吉行和子、Lisle Wilkerson、渡辺奈穂 ほか
今回は、DLP Cinema® という、フィルムを使わない上映方式の劇場でした(開発は Texas Instruments Inc. らしい)。良くあるNTSCのプロジェクターとは明らかに一線を画す映像です。ここまで きめ細かい画が映せるとは、正直、驚きました。途中 一回だけ、デジタルのデータが飛んだのでしょう、一瞬 映像がフリーズしたことがありましたが、それ以外に再生の問題は起きませんでした。難を言えば、グラデーションの再現力、特に暗いところの画が やっぱり甘い。薄暮の空とか、その辺りの描写で どうしても“デジタル臭さ”が顔を出してしまいます。改良の余地が、カメラの光電変換系にあるのか、それとも映写機の方にあるのか、正直言って分かりませんが、まだまだ技術を成熟させて行く必要は ありそうです。
映画 “The Darjeeling Limited” (2007年・米)
ダージリン急行という名のインドの列車に乗り込む三兄弟が居ます。長男のフランシス・次男のピーター・三男のジャック。一年近くも絶交していたとかで、何とかフランシスが三人の絆を元に戻そうと企画したものでした。口論したり我慢できないとか言ったりしてる割には、妙に息が合っている三人。その旅の行く先には、一応、目的も設定しましたが、さて、どうなることやら。
まさに Wes Anderson 節の大博覧会です。ゆるい空気は相変わらずで、旅行を続けているはずなのに休んでる感じがする。いろいろと出てくる小道具や大道具、舞台となる場所や列車についても、どこまでがホントで どこからが創作なのか、良く分かりません。とりあえず言えるのは、三人はインドに居るらしいということだけ。
カメラが真横に移動しながら 人物を追いかけたり その場の様子を見せたりする。90度ずつカメラがカクッカクッとパーンをする。愚直なまでに繰り返されるカメラの動きを見ているうちに、すっかり映画のペースに乗せられていました。そもそも、最初に いきなり Bill Murray が あの真面目と冗談が混じり合った顔して出てくるもんですから、可笑しくてしょうがない。
ラストで何故 “Les Champs-Élysées”(「おおシャンゼリゼ」)なのかも さっぱり分かりませんが、そんなことも どうでも良くなってきますね。少し騒々しいんだけど、とても おおらかで、それでいて物事が 何となく上手い方へ進んで行く、よい旅が出来ます。
邦題:「ダージリン急行」
監督:Wes Anderson
脚本:Wes Anderson、Roman Coppola、Jason Schwartzman
撮影:Robert Yeoman, ASC
美術:Mark Friedberg
音楽スーパーバイザー:Randall Poster
出演:Owen Wilson、Adrien Brody、Jason Schwartzman、Amara Karan、Anjelica Huston ほか
最初に、“Hotel Chevalier” という短編作品が併映されます。ジャックが主役。
今季から、スカイ・A の東北楽天の中継で小川光明アナウンサーが喋ることになったようです。あの声がテレビから聞こえてくるのは巨人戦に決まってる、という頭があるので、違和感は相当なものがあります。
まあ、そのうち慣れるでしょう。
映画 ”מדוזות“ (2007年・イスラエル=仏)
イスラエルはテルアビブ。
結婚式場でウェイトレスとして働いているバティアと不思議な女の子の話。
新婚のケレンとマイケルが泊まったホテルで起こったこと。
フィリピン人の介護ヘルパーのジョイが面倒を見ることになった お婆さんとの触れ合い。
3つの話を同時進行で追い掛けます。
決して楽しいばかりの人間模様ではありません。しかし、あれこれと心に残る場面があります。それらは、ちょっと不思議だったり、なんかヘンだったりします。そして、優しくて綺麗です。
観終わった当初は なんだか狐につままれたような気分だったのですが、時間が経ってくると、だんだん、観て良かったなぁという気持ちになってきました。
言葉にするのは難しいけど、そういう、小さくて素敵な魅力のある作品です。
邦題:「ジェリーフィッシュ」
監督:אתגר קרת (Etgar Keret)、שירה גפן (Shira Geffen)
脚本:שירה גפן
撮影:Antoine Héberlé
音楽:Christopher Bowen
出演:שרה אדלר (Sarah Adler)、ניקול לייטמן (Nicole Leidman)、נועה קנולר (Noa Knoller)、גרא סנדלר (Gera Sandler)、Ma-nenita De Latorre、זהרירה חריפאי (Zaharira Harifai) ほか