徒歩・徒然

2008年7月上期


2008年7月1日(火)

帰国しました。

帰国して早々、成田空港の出口を出るところで わざわざ手荷物検査をされました。持ち込んじゃいけない物を持ってないか、確かめるんだそうです。そんな面倒くさいこと しませんって。

知らないうちに、税関申告の紙を“申告する物が無い人も全員、住所・名前・職業・電話番号を書いて提出”する決まりになっています。以前は、「何もありません」と一言告げれば終わりだったのに。なんで我が国は、こういう物事を どんどんどんどん面倒な方向に持って行くのでしょう。

欧州での入国審査は、呆れるくらい簡単でした。今回は、アムステルダムの空港でパスポートを見せただけ。

 “Hi!”
 ↓
 「ハーイ」(パスポート渡す)
 ↓
 ガチャン(スタンプ押す)
 ↓
 終わり

……てなもんです。
で、その後、ノルウェーのオスロ空港では、シェンゲン協定のおかげで審査も何も無く、あっさりと外へ出ました。

他所様の国に入る時より自分の国に帰って来た時のほうが厳しいチェックを受けるとは、妙な話も あったもんです。風貌の所為でテロリストの一味と思われたか。


2008年7月2日(水)

日頃の強制的な時差生活で、身体も ある意味で諦めているのか、全く“時差ボケ”というものが生じません。

移動した その日から、きちんと夜寝て朝起きる。便利と言えば便利ですね。意外なところに職場環境の効能が。


2008年7月3日(木)

大変遅ればせながら、yo-oyさん、ご紹介ありがとうございます

「もっと他の事に頭を使うべき」なのは その通りだと思います。解決すべき問題は、別に色々とある。


サマータイム導入を面倒くさがる日本 (大前研一 / nikkei BPnet)

「日本でのサマータイム導入賛成論者」の皆さんが書いたり言ったりしていることは、だいたいにおいて支離滅裂なのですが、この方のこの文章は その中でも特出の出来です。酷すぎます。こういう天才や秀才に導かれて どんどん 我が国が変な方向へ突っ走っているのではないかと勘繰りたくなります。

面倒くさくても、本当に必要なのなら、そら やりますよ。面倒だけが かかって、何も得られるものが無いから反対してるんです

ここで従来のサマータイム反対の論議とは異なる視点を提出してみたいのである。

と書かれている通り、一所懸命に そこら辺の賛成論者とは違うことを言おうとしてるのですが、そのおかげで、話が全くあらぬ方向に暴走して行っています。

まず、戦後すぐの時代に導入されていたが廃止になった話。氏に言わせると、巷間 言われている「国民の支持が得られなかった」「残業が多くなった」というのは嘘だそうです。

それでは、なぜ廃止になったのでしょうか?

少なくとも日本でサマータイムが廃止された理由を「国民の支持が得られなかったから」と表現するのは違和感がある。ではどうして廃止になったのか? ずばり、それは「貧しかったから」である。

サマータイムが導入されていた1948年から1951年とは、昭和でいえば23年から26年である。戦後すぐの混乱期だ。国民の栄養状態をどう改善するか、欠食児童をどうするかといったことがまだ真剣に議論されていた時代である。サマータイムのために仕事が1時間早く終わっても、実際に日が暮れるまでにたっぷりと時間が残っている。空腹だからさっさと帰宅して寝てしまいたいのだが、日が高くて簡単には寝られない。

そんな時代にあって、「ゆとりを持って時間を過ごそう」という趣旨のサマータイムが合うはずがない。

なんだ、結局、国民の支持が得られなかったのではないですか。それとも、“大人しい日本の人民”は何も声を上げなかったので、占領軍側が日本の人民を可哀想に思って廃止してくれた、ということなのでしょうか。

わたしがサマータイムを推進する理由の一つに、日本には変化が乏しすぎることを挙げたい。サマータイムという制度を導入し従来の生活のサイクルを変えてみることも、いい刺激になると考える。先般、当連載で解説した道州制の導入も、日本に大きな変化をもたらすきっかけになることだ。日本はそういう大きな変化を経験したほうがよい。

この段落の後、会社運営に例えて、とにかく新しいことをやってみることが大事だという議論が始まるのですが、会社のプロジェクトと日本でのサマータイム導入を一緒にされては困ります。それに、ムリヤリ付き合って会社運営の例え話に乗っかるなら、無意味なこと・コケることがわかっていることを 社長の鶴の一声で進めるのが、健全な会社運営とは とても思えません。

時計を一時間進めるだけで、夏の気温が下がって梅雨が無くなって台風が来なくなる、とでも言うつもりですか。そんな経営ビジョンの社長になんぞ、信じて付いて行くわけにはいきません。

そして、日本には変化が必要だと強い調子で訴えておきながら、後段で なんだかグダグダなことを言い出す始末です。

とにかく現在の視点・状況でトライしてみて、そしてケーススタディを蓄え、そしてそれでも駄目ならやめればいいのだ。

元に戻して どうするんですか。日本にとって大切な“変化”のためにサマータイムを導入するのであれば、いったん始めたら、多少の弊害が出たとしても止めない覚悟が必要なのではないですか。せっかくの“変化”が、元の木阿弥になってしまいます。

これでは 、「サマータイムを導入したところで、そんなに変化は起こせないかもしれないと、心の底では思っている」ことを露呈させてしまったようなものです。

そして、この次に、

海外のサマータイムの事情に目を向けてみよう。読者のなかには、サマータイムを導入したら国が一斉に時計を1時間進めると思い込んでいる人も少なくないだろう。実はサマータイムはそんな単純なものではない。海外の事例を知れば、それが誤解であることを理解できる。

ということが書かれているのですが、これから先しばらくは、単なる豆知識の羅列で、今の日本にサマータイムを導入すべきか否かという本題とは全く関係がありません。

まあ、ご自分の広い知識を、ちょっと披露してみたくなったのでしょう。

日本の標準時が一つだけなのに違和感がある、という意見には同意しますが、国内に二つの標準時を設けることが 今の我が国で どれだけの支持を得られるか、ですね。

現在、サマータイムに賛成しているのは、外国で生活して実際にサマータイムを経験したことのある人が中心だろう。そういう人にとっては「サマータイム? あれっていいものだよね」と好印象を持っているはずだ。そのような外国でのよい思い出を持っている人たちを中心に、前向きな人々が一丸になって推し進めることができたら、サマータイム導入も実現したかもしれない。

これが正に問題なのです。氏の言われる「思考停止」に陥っているのは、このような視点で賛成意見を述べている論者も同じことなのです。

何度でも繰り返しますが、時計を一時間進めるだけで、夏の気温が下がって梅雨が無くなって台風が来なくなる、とでも言うつもりですか。外国で生活して経験した好印象が そのまま日本でも実現すると思ったら、大きな間違いです。厳しい西日や 梅雨の長雨の中で“夕方の余暇”を過ごすことを、少し考えるだけでも分かりそうなものです。それなのに、外国での爽やかな明るい夕方を輸入できると思ってしまうのは、要するに、何も考えていないのでしょう。

つまるところ、「ガタガタ言わずに、とにかく やってみろ!」としか言っていない文章です。大学の研究室の実験なら それもいいかもしれませんが、日本でのサマータイムは そんな次元の話ではありません。賛成論者の暴論、ここに極まれり、です。

新しいことに挑戦するのは大切なことだし、現状に甘んじないで変化を積み重ねることも必要でしょう。しかし それらを、日本でのサマータイム導入と結びつけて論じるのは飛躍のし過ぎです。

日本に起こさなければいけない“変化”は、もっと別のところにあるはずです。そして、それはたぶん、一世代のうちに終わらせられるような、即効性のあるものではないでしょう。


そして、ちょっと思うのですが、サマータイムで余暇が云々と言っている人たちは、どうして その余暇に当てる時間を、所謂“アフター・ファイブ”に決め付けてしまうのでしょうか。

わたしにとって一番説得力があるのは、「夏になると4時から太陽が昇っているのにあなたは6時に起きていますね。陽が昇ってから2時間も寝ているのはもったいない。むしろ陽が昇ってから1時間で起きるというのはどうですか?」という理屈だ。

だったら、時計はそのまま動かさず、5時に起きて、いわば“ビフォア・エイト”(“ビフォア・ナイン”か)を余暇に当ててしまえば良いではないですか。ご承知の通り、朝は一番涼しい時間帯ですから、夕方よりも過ごしやすくて、いろいろと出来ることも多い。充分に有意義な余暇時間が送れると思いますが。

「これから出社しなければいけないときに、そんな落ち着いて遊んでなどいられない」とか言い出すようであれば、そもそも そんな考え方の人には 平日の余暇時間の捻出は無理でしょう。時計を一時間進めて“アフター・ファイブ”に遊ぼうとしたって、結局、上手い時間の使い方なんて出来ないですよ。


2008年7月4日(金)

ウチのDV-ACW38は、「ダビング10対応」には してくれないらしいです

なぜだ。
なぜ そんな差別を受けなければならないのだ。

くそ。これも、HDD-BDを買えという無言の圧力ですか。商売上手ですね。くそ。


2008年7月5日(土)

錦帯橋が泣いている 相次ぐ落書き (山口新聞)

実は、錦帯橋には この5月に 広島―由宇の球場巡りをした際に ちょこっと立ち寄ってみました。

― 夕暮れ時の木の橋を、そぞろ歩く一片の人影 ―

その時は、平日の夕方近くだったこともあり、観光客の姿も疎らで、とても ゆったりとした時間が過ごせました。

袂の橋脚の根元に腰掛けて、木作りの橋と河の流れを見つめながら、しばらくボーっとしていたりしました。水鳥が飛び交い、流れの優しい音が響きます。本当に良い心持です。

僕は そういうことをするのが大好きなのですが、こうした落書き騒ぎなんかが起こると、立ち入り禁止だの座り込み禁止だの、ぎゃあぎゃあと うるさい事を言われるようになります。僕みたいなヘンな行動をしてるヤツは、別に悪いことするつもりもないのに悪者にされてしまうことが増えるので、実に迷惑です。

落書きをする方は 何の気無しに軽い冗談のつもりでやるんでしょうが、それを消す作業をする人への直接的な迷惑だけじゃなくて、こんな風に 広く浅く 思いもよらない所まで迷惑が及ぶのだということを分かって欲しいと思います。あなたの ほんの ひとときの軽はずみのおかげで、僕みたいなヤツの ささやかな楽しみまでが奪われるんですよ。


2008年7月6日(日)

(昨日6日のぶんを今日7日に更新します)

埼玉西武×東北楽天 第9回戦 (西武ドーム)

― 新装なった……? ―

“松坂マネー”とやらで大改修進行中の西武ドームに行ってみました。

今日は、西口・岩隈の両先発ということで、締まった投手戦を勝手に期待していたのですが、3時間59分かかって7対5で東北楽天の勝ち、安打数も10本と9本と、思いもよらぬ大変な試合になりました。25654人のお客様。

真横から見ていたので 実は良く分からなかったのですが、ノムさんが珍しく怒りを露にするほど、球審の判定が辛すぎたようです。

それにしても、イーグルス強い。ちょっと前なら、こんな試合は 間違いなく 惨敗していたことでしょう。派手な一発は横川が打った一本だけですが、ネチネチと粘って逆転してしまった、という印象です。ピッチャーも、切れてしまいそうな流れの中、良く抑えました。

― 投球練習中の西口投手 ―

ここ4試合ほど、ライオンズは、かつての“西鉄ライオンズ”のユニフォームを復刻させています。なんだか高校野球のチームのような、とてもシンプルなデザインのユニフォームですが、逆に それが新鮮です。

今日は、「往年のライバル“南海ホークス”を率いていた野村監督との因縁の対決」とか言って、やたらに煽っていましたが、考えてみれば、ノムさんも一時期“西武ライオンズ”には在籍してるんですよね。

さて、改修されつつある西武ドームですが、どうしても屋根に眼が行ってしまいます。日本のドーム球場における屋根というのは、要は“雨が防げれば良い”わけですから、もっと陽の光を大胆に取り入れる材質や構造に出来ないものなのかなあと思います。今日はデーゲームだったのですが、ご覧の通り燦々と照明が点いていて、なんだか非常に勿体ない気分になってしまうのです。

これ以上ドーム球場が増えることは望みませんが、もし、これからも屋根付き球場を造り続けるのであれば、その辺のご配慮を、是非。


2008年7月8日(火)

Dodgers' Hiroki Kuroda flirts, but history is a tease (Los Angeles Times)

惜しかったー。あの2塁打一本だけだったー。あの2塁打だって、大して いい当たりじゃなかったのに。

7回終わった時は、そのまんま行くんじゃないかと思ったんですけどね……メジャーは そんなに甘くないということですか。

それにしても凄い。途中、怪我で休んだって、やることは松坂より凄いぞ。


2008年7月10日(木)

スター・チャンネル、累損処理へ新会社 伊藤忠など4社出資 (日本経済新聞)

そうか、あまり経営が芳しいわけでもなかったんですね、この会社。

やっぱり、ひと月1890円の料金では 採算が合わないのかもしれません。ロードショー一回分の料金で 一ヶ月 見放題というのは 上手いところをついてる気がしますが、考えてみれば、今は みんなレンタル屋さんに行きますもんね。

いま、「クラシック」のチャンネルでやってる “Silverado” (僕の大好きな西部劇映画) が なぜか「額縁」状態です。ムリヤリ結びつけるのは違うのは分かっていますが、なんとなく、こういうところが会社の状態を象徴してるような気がします。この作品は 日本で(なぜか)まともなDVDを発売していないのですから、こういう作品を、専門チャンネルの力を生かして きちんとしたフォーマットで放送すれば、かなり株が上がると思うんですが。

以前、BS2で放送したときは、ちゃんとシネマスコープの画面が流れたんですけどね。もう一回 放送してくれないかな。


2008年7月12日(土)

なんだか、色んなものが ない交ぜになった夢を見ました。昨日、久し振りに 勤務のあと 職場の人たちと食事に行ったりしたからか。

僕は、職場の人たちとか学校の友達とか、とにかく色んな人たちと一緒に どっかの街に旅行に来ているのです。どうも日本じゃないような感じです。で、その街には、メンバーの中の誰かの知り合いの人が、あっちこっちに住んでいるのです。そういう人たちの家を 皆で巡っているような、そんな夢でした。行く先々で様々なことが起こるのですが、ひとつひとつは あまり詳しく覚えていません。

何故か僕は、その初めて行った街で運転手をやらされている。


渡辺会長「君らだってやってんだろ」 (日刊スポーツ)

巨人渡辺会長が二岡の騒動について、報道陣に「君らだってやってんだろ。同じようなもんじゃねえか」と吐き捨てるように話した。

そうか。みんなやってるのか……


2008年7月13日(日)

もう昨日のことになりますが、昨日の夕立には参りました。

家に居たのですが、なんか空がゴロゴロ言ってるなぁと思っていたら、突然、ものすごい風と雨が。

僕が居た方の部屋は、間一髪で窓を閉めたので 雨が吹き込まずに済んだのですが、慌てて隣の部屋に飛んで行ったら(その間、30秒も無かったと思います)、既に そっちの部屋は水浸し……どころか「水溜り」になっていました。本棚の本にまで水がかかっている始末です。ビックリしました。

そのおかげで床の拭き掃除が出来てしまったのですが、本当に凄い夕立でした。(五分もしないで上がっちゃったような気がしますけど)


iTunesの最新版7.7は、一部のWindows環境で不具合(AppleMobileDeviceHelperの起動時の動作不良?)が起こるようなのですが、ウチのXPでは大丈夫そうです。

ディスカッションの投稿などを読んでみると、どうも、Vistaのセキュリティ動作と衝突してる臭いがします。その辺りのテストも出来ずにリリースになっちゃうんでしょうかね。苦労してる担当者の姿が目に浮かぶようです。

余談ですが、(この処置が 何らかの好影響を与えているのかどうか、実は ちっとも分からないのですが)ウチのPCでは、Windows Defender で アップル関係のソフトウェアのスタートアップ動作を ぜんぶ無効にしてあります。

― “ソフトウェア エクスプローラ”内の設定の一部 ―

知らないうちに常駐するものをポコポコ増やしてるんですよね。余計なことは してくれなくて良いんです。“MobileMe” って なんなんだ一体。

え? iPodも持ってないのにiTunesだけ最新版にしても仕方ない?
それは……もうちょっと様子を見さしてくださいな。


2008年7月15日(火)

映画 「西の魔女が死んだ」 (2008年・日)

中学校に入ってすぐ、「もう、学校へは行かない」と決めてしまった、まい。ママは、そんな まいを責めることもせず、森の中にある おばあちゃんの家に しばらく預けることにします。そのひと月あまりの暮らしを、振り返ります。

森の中で、自分の気に入った場所を見付けられるだけでも、とても運が良くて羨ましいことだと思います。掛け値無しの体験です。時に、ふと、不思議が現れますが、それは少しのあいだ。なんとなく理不尽な心の動きも、そのまま素直に描かれています。

おばあちゃんの口から出てくる言葉。心に残るものがあり過ぎて、逆に、今となっては思い出せなくなってしまいました。

ちょっとした擦れ違いが影を落としても、そこには、愛がいっぱい溢れています。

 監督:長崎俊一
 原作:梨木香歩
 脚本:矢沢由美、長崎俊一
 撮影監督:渡部眞(JSC)
 美術監督:矢内京子
 音楽:トベタ・バジュン
 出演:Sachi Parker、高橋真悠、りょう、大森南朋、高橋克実、木村祐一 ほか

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