これから書く作品を観たのは、実は もう4日も前なんですけど、毎日 帰って来るのが遅くて、その上でアラビア文字の記述に手間取って、なかなか表に出せませんでした。
映画 ”سكر بنات“ (“Sukkar banat”) (2007年・レバノン=仏)
レバノンはベイルートの、とある美容室(エステサロン?)が舞台です。美容室が舞台の作品と言えば、名作(と僕が勝手に言っている) “Steel Magnolias” (1989) が思い付いてしまうわけですが、あちらは田舎町・こちらは大都会です。そして、あちらは どちらかと言うと そこにやってくるお客さんたちが目立っていたけれど、こちらは どちらかと言うと そこで働く女性たちが主役です。作風も だいぶ違って、家族という繋がりよりも、女性たち個人の心の動きを追うことが主のように思えます。
邦題や仏題になっている“キャラメル”というのが何なのか、一応、ここでは伏せておきます(あることに使うのですが、日本では そういう使い方は してないと思います、たぶん)。
さて、僕にとっては遠い世界の出来事であるとは言うものの、散りばめられている ごく普通の街の風景や 仲間との触れ合いなど、気持ち良く観ていられました。時には ちょいと言いたいことも出て来るけれど、遠く離れた中東の国にも、やはり、同じ“人”が居るのが分かりました。
驚くのは、女性達は ほとんどが本職の女優さんでないということ。俄かには信じられませんね。皆さん、素敵すぎます。
邦題:「キャラメル」
監督:نادين لبكي (Nadine Labaki)
脚本:نادين لبكي (Nadine Labaki)、جهاد حجيلي (Jihad Hojeily)、رودني الحداد (Rodney Al Haddad)
撮影:ٳيف سحنوي (Yves Sehnaoui)
音楽:خالد مزنر (Khaled Mouzannar)
出演:نادين لبكي (Nadine Labaki)、ياسمين المصري (Yasmine Al Masri)、جوانا مكرزل (Joanna Moukarzel)、جيزيل عواد (Gisèle Aouad)、سهام حداد (Siham Haddad)、عزيزة سمعان (Aziza Semaan)、فاطمة صفا (Fatme Safa) ほか
作品の本質とは ぜんぜん関係ないんですけれど、中に一人、頭に来る警官が出て来ます。あの野郎は、「悪者を捕まえずに市民をいじめるのか」と問い掛けられた時に「そうだ」と開き直りやがりました。ロクでなしの集まりなのは、どこの国でも変わらないんだな(←偏見)。
映画 “Lads et Jockeys” (2008年・仏)
この手のドキュメンタリーの ご多分に漏れず、いつ、どこで、が全く分かりません。分かるのは、競馬の騎手を養成する学校に居る子供たちが写ってるということ。プログラム等々の解説によると、Parisの北、50kmほどのところの Chantilly にある “Le Moulin à Vent” と呼ばれる寄宿学校だそうです。騎手や厩務員を養成しているらしい。入学するのは14歳。
それから、武豊さんがディープインパクトと共に凱旋門賞に出ていることから、年が2006年と分かるようです。
とにかく、こんな所まで? と思うような部屋の中にまでカメラが入り込んで、だからと言って カメラの後ろから声を掛けるわけでもなく、馬の世話から厩舎の掃除から友達同士の会話から本命の乗馬の訓練まで、丹念に丹念に子供たちを写し取ります。走る訓練の時は、カメラも(おそらく自動車に乗って)馬を ずーっと追い掛けてます。その、飛ぶような画面の見事なこと。
辛いこともあるし、上手く行くこともある。ただ、全ては、「馬が好き」というところから始まってます。それが良く分かるから、みんなを応援したい。出来ることなら、みんな、夢が叶ったらいいのに。
ところで、観ている間中、一番最初に、「馬は こうやって乗れば こっちの思う通りに動いてくれる」というのを見出した人って誰なんだろう、とか思ってました。あの姿形を見て、あの背中に乗って移動できそうだと思い付くのは僕にも出来るかもしれない。でも、歩かせたり走らせたり止まらせたりなんて、どうやったらいいのか さっぱり見当が付かないだろうなと思います。
あと一つ。フランスでは、あのくらいの年頃の子供でも馬券が買えるんですね。
邦題:「ジョッキーを夢見る子供たち」
監督:Benjamin Marquet
撮影:Sebastien Buchmann、Laurent Chalet、Benjamin Marquet
音響:Benjamin Laurent
編集:Isabelle Devinck、Emmanuelle Joly
Nominees & Winners for the 81st Academy Awards (Academy of Motion Picture Arts and Sciences)
結局アメリカの内輪の賞だろ、とか冷たい眼で見ておきながら、やっぱり自分が劇場で観た作品が選ばれると嬉しくなりますね(なんたって、“ノミニー”の中には、他には観た作品が ただの一つも無いんだもの)。
それにしても、居並ぶハリウッドのお歴々の心を、よくぞ掴んだと思います。
「WBC」という謎の大会 (海老沢泰久 / NumberWeb)
謎なのは、WBCという大会じゃなくて、コラムニストとしての海老沢さんの姿勢のような気がしますね。
イチロー君を批判するのは結構ですが、本人や周りの人に会って話を聞いたわけでもなく、伝聞と勝手な推測に基づく決め付けばかり。米国では大して盛り上がっていないという話も、実際に現地で確かめた気配は無く、ただ単に新聞の記事から雰囲気を類推しているだけ。折りしも同じサイトの別のコラムで、各メジャー球団の冷ややかさとは裏腹に、参加する選手たちの意識は確実に変化している
・取材の合間、WBCの各国代表の1次候補に名を連ねている選手たちから、それとなく話を聞いてきたのだが、彼らのWBCに対する意気込みが前回とは比較にならないほど高い
などと菊地靖さんが報告していて、笑っちゃいました。
本当に批判すべきは、言いだしっぺの癖に、大会に対して冷たい姿勢を取ることしかしないMLBの方でしょう。オリンピックの正式競技からも外されてしまった今、この大会の意義は ますます大きなものになるはずです。ところが相も変わらず、自分トコのリーグ戦さえ盛り上がればそれでいいのだ、という考え方をしていて、その雰囲気が各国のリーグにまで伝染している臭いがします。用具や競技場の標準規定さえ作れず、それどころか、国際的に通用する競技規則すら無い。そして、その状況を改めようともしない。そういうのを改める絶好の機会が、WBCという場なんじゃないんですか?
今のままでは、野球はアメリカのローカル競技のままで終わりでしょう。世界各地に才能のある選手がたくさん居るというのに、勿体無い話です。
この冬初めての本格的な雪だそうです。
ただし、積もっていませんが。
初めて「空耳アワー」でウチにCDがある曲が流れた……のに あんまり面白くなかったのが悔しいです。
無線てぇのは、「空いてりゃ使っていい」もんだと思ってたんですけどねぇ。
ま、ウチは被差別部署だから仕方が無いな。仰せの通りに致しますさ。フン。