徒歩・徒然

2011年7月上期


2011年7月13日(水)

暑いのう……


パソコンを替えました。

一番の要因は、HDDの容量が逼迫してきたことです。α-900を使い始めてデジタル写真が増え、その一枚一枚のサイズが大きいため、気が付いたら、データ保存用にしていた300GBのHDDが残り僅かになっていました。このままでは遅かれ早かれ保存する場所が無くなります。HDDをデカイのに取り替えても良いのですが、この際、丸ごと新しいのにしようと、一大決心をしてみました。突然 電源が落ちる、という不具合にも悩まされていましたし。

で、買ったのは、どうしたわけかMacです。Windowsパソコンを使い続けてきた身が いきなり浮気をしたのは、単なる気紛れとしか言いようがございません。前々から、Apertureを使ってみたいなぁとか思ってはいました。で、今回、本当に思い切って購入しました。新しいOSが出る直前ぢゃねーか、という突っ込みは、甘んじて受けます。ここら辺が僕のうっかりしたところでして(サイトがLion一色なので、もう出たんだと思い込んでいた……なんか無料で貰えるらしいから、まぁいいでしょう)


《以下、無駄に長い記事ですので、興味のある方・お暇な方だけ お読みください》

さて、新しいパソコンにしたときに やらなければいけないのが、これまで便利に使っていた環境を移すことです。今回はOSが変わってしまったので、あらゆることを構築し直さなければなりません。幸い、WWWブラウザーは色々あるので不自由しません。その他、RSSリーダーだとかテキストエディタだとかも適当なものが見付かりました。もちろん、完璧に これまでが再現できるわけではありませんが、徐々に慣れて行きたいと思います(今更ながら、xyzzyのhtml+-modeは とても優秀だったのだということを再認識中)。

困った、と言うか、一番 手間の掛かったのがメールソフトです。

素直に OS付属の “Mail” とか、Thunderbird とか使えばいいじゃないかと言われそうですが、ちょっと譲れないことがありまして。

これまで Sylpheed を使っていました。色々なメールソフトの中で とりたてて使い勝手が優れているわけではありませんが、メール一通を一つのファイルとして保存するmh形式を採用しているのがポイントです。昔、たった一通のメールの不具合でメールボックス全体が吹っ飛んでしまった経験を持つ僕としては、ここだけは譲れない仕様なのです。

Mac OS X で動くメールソフトで mh形式を採用しているものは見当たらず、結局、Sylpheed を使うしかないという結論に至りましたEmacs で mew とか使えばいいじゃん、てな話もありますが、もう すっかり GUI に体が慣れきってしまったもんで)。しかし、Mac OS X ネイティブのバイナリは、GUIツールキットの GTK-OSX がインプットメソッドを搭載していない所為で 日本語入力が出来ない という超アルファ版状態。そうなると、X11の上で動かすように何とか頑張るしかありません。

しかしながら、UNIXをいじったことなど ほとんど ないので、かなりの悪戦苦闘となりました。
↓ここから、それをズラズラ書いていきます。

まず、必要なツールの導入。

いろいろなサイトを見ていくと、パッケージ管理システムを使うのが便利らしい。名前からして MacPorts というのが良さそうな気がしたので、それを入れることにしました。(参考にしたサイト→ http://osx.miko.org/index.php/Beginning_OS_X_10.6

X11 を立ち上げて、出てきた bash でコマンドを打ちます(こんな作業、何年ぶりだ)。

$ mkdir ~/Sources
$ cd ~/Sources
$ svn export http://svn.macports.org/repository/macports/tags/release_1_9_2
$ cd release_1_9_2/base/

ここまでは順調に行きましたが、次に

$ ./configure

をやるとエラーが出ました。コンパイラが無いとか言われてます。

調べてみたら、どうやら買ったばっかりの状態では開発環境が入っていないためらしい。そんな、HDDの容量をケチらなければいけない時代じゃないんだから、始めから入れといてくれたらいいのに。

Mac OS X Install DVD から、「オプションインストール」内の “Xcode” をインストールします。

改めて ./configure をやってみたら、今度は上手く行きました。オプションの指定とかは、良く分かんないので何も付けてません。あとは、

$ make
$ sudo make install

とやって、無事に成功しました。一時的にPATHを通しとかなければいけないそうなので、次のように打っておきます。

$ export PATH=/opt/local/bin:$PATH
$ export MANPATH=/opt/local/share/man:$MANPATH

そして、何やらデータベースを最新のものに更新する必要があるらしい。

$ sudo port -d selfupdate

これで目出度く MacPorts の導入は終了しました。

さて、X11 では このままだと日本語入力が出来ないので(ことえり は働かない)、まずは入力システムのインストールから やります。あれこれ探すのが面倒くさくて、王道の kinput2 を入れることにしました。

$ sudo port install kinput2

とやると、どこかのサーバーからファイルを持って来てインストールしてくれます。kinput2 だけでなく、依存関係にありそうなものを まとめて持ってきます。確かに これは便利。途中、サーバーへの接続がおかしくなったのか、表示が先に進まなくなりましたが、^C で中断して もう一度 port install を打つと、中断したところから再開してくれて、最後まで上手く行きました。

そして、次のおまじないが必要らしい。canna てのも久し振りに聞いた名前ですね。

$ sudo port load canna

設定ファイルが要るようなのですが、これも何だか良く分からないので、environment.plist.bashrc.bash_profile.inputrc.emacs あたりの設定ファイルの内容は、ぜんぶ先に書いたサイトのものを丸写ししました。


(後日の追記)

MacPorts で入れたままの状態では kinput2 の動作が安定しませんでした。連文節の変換操作をしている時に、何かのタイミングで変換動作が止まってしまい、その後は日本語入力モードにならないという現象が起きました。

なかなか解決策が見出せなかったのですが、設定ファイル Kinput2(こちらの環境では、/opt/local/lib/X11/app-defaults/ の中にありました)に次の3行を書き加えると現象が出なくなりました。

*SeparateConversion.input: false
*selectionShell.input: false
*auxShell.input: false

例によって、これが意味するところは良く分かってません……なお、当該の設定ファイルは、通常の状態ではユーザーには編集が禁止されていますが、Mac OS XchmodGUI のマウス操作で行えますので、簡単に変更できます。

(追記終わり)


さて いよいよ、Sylpheed そのものを持って来て入れることにします。

MacPorts で持って来ても良いのですが、サーバーに置いてあるものはバージョンが古いようなので、最新版のソースパッケージを公式サイトから入手してビルドしてみることにします。Windows と違って、tar.bz2 のファイルなんかでも、解凍ソフトなど入れずにダブルクリックするだけで展開できるのが嬉しいですね。

やってみると、./configure までは上手く行ったのですが(別にデフォルトのままで構わないだろうと思ったので、またまたオプションは何も指定していません)、次の make で引っ掛かりました。gtk+ が無い、と怒られています。これ以前に、既に GIMP on OS X のバイナリをインストールしていて、それが X11 を引き連れて動作してるのを見ていたので、てっきり gtk+ は入っていると思い込んでいたのです。そう甘くはなかったみたいです。(しかし、じゃあ、あの GIMP は どういう仕掛けで動いてるのかな?)

$ sudo port install gtk2

これで gtk+ は入りました。やはり、依存関係にあると思われるものも一緒に持って来て入れるようです。

改めて、./configuremakesudo make install をやってみると、今度は無事に最後まで行きました。

よし、これで やることは全部やったはず! いざ、Sylpheed を立ち上げよう。

$ sylpeed &

と打つと、お馴染みの表示のメールソフトが ちゃんと起動しました。やったあ……と思ったら、UIの表示が ぜんぶ英語になっています。けっこう使い慣れてるつもりなので、別に英語のままでも おそらく困らないと思うんですが、なんかスッキリしません。

どうやら、gettext というライブラリが上手く読み込めないと、日本語化が上手く行かずに英語になってしまうらしい。(参考ページ→ http://comments.gmane.org/gmane.mail.sylpheed.general.japanese/2565

gtk+ を入れたときに 一緒に あれこれ入っていたから、glib というのも入れてくれたと思うんだけど。試しに sudo port install glib2 とやってみたらインストール動作をしません。たぶん入ってるのだろうと判断しました。

例によってPATHを通しておかなければいけないようなので、.bashrc に次の2行を加えました。

export C_INCLUDE_PATH=/opt/local/include
export LIBRARY_PATH=/opt/local/lib

./configure から やり直し。

config.h の中身を確認してみると、#define ENABLE_NLS 1 という行が出来ていたので、今度は大丈夫そうです。

さて、再び Sylpheed を立ち上げると……おお、ちゃんと日本語になった! ヤレヤレ。長かったなぁ、ここまで。

あとは、バックアップしていた前のパソコンのメールボックスのファイルとか設定ファイルとかを そのままコピーしてくればOK。いちいち「インポート」とか やらなくていいのです。これは ありがたい。でも、ここまでのインストールのゴタゴタを考えると、決して手間や時間の節約になっていないのが悲しいところです。バイナリファイルとかインストーラーとかって、偉大なんだなぁ……

─ やっと作業が完了したスクリーンショット ─
(↑動いた動いた)

ウィンドウの中に そのアプリケーションのメニューがある、というのは、もしかするとMac使いの人たちから見ると邪道なのかもしれませんね。

立ち上げるとき、いちいち X11 からコマンド打たないといけない手間はありますけども、その程度なら我慢できます。あと、日本語フォントの表示処理に難があるのか、メール受信状態のダイアログなどで表示がピクつくという、若干、怪しい挙動があります。その辺の細かいことは気にしないことにしましょう。なんとかなって、本当に良かった。


あとは、写真を扱う環境を整えたりとか、プリンターやスキャナーを使えるようにしたりとか、色々と やらなければいけないことはありますが、とりあえずはメールのやりとりが出来るようになって一安心です。


(その後の追記)

OS10.7 (Lion) に上げてから、Sylpheed をバージョンアップしようとしたら、また、コンパイラが無いと怒られてしまいました。どうやら、10.6 の時の Xcode は動作しなくなっているようです。

仕方がないので、App Store から 新しいバージョンの Xcode を持ってくる(Lionを購入した人は無料)ことで対処しました。


2011年7月15日(金)

広島が1回2併殺打 セでは22年ぶり3度目 (sportsnavi / 共同通信)

もー。すぐ こういう「悪い方の珍記録」を作るんだから。これぞカープ野球。今日は勝ったから笑い話で済みますけどね……

お次は、1イニング4三振 とか やるんじゃないでしょうか。


X11 で、kinput2 が原因不明の動作停止を しょっちゅう起こすので、難儀中。

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written by tardy@k.email.ne.jp