京都にでも行ってみっかと、週末のこの日に出掛けたわけでした。紅葉も見頃だと言うし、とにかく、こういうことは思い付いたら止まらないのが僕でして。
さて、突然 出掛けることに決めたもんですから、この時季の京都に2〜3日前になって宿が取れるはずもありません。必然的に日帰りです。
朝一番の新幹線に乗るためには4時半ぐらいに家を出ないと間に合いません。何とか起き出して家を出て、ま、列車で座って一眠りすればいいかと思っていたら、自由席は大混雑でデッキにあぶれてしまいました。先が思いやられます。
8時半前には京都駅に到着。地下鉄烏丸線で国際会館前に向かい、バスに乗り換えます。バス停には長蛇の列。バスはぎゅうぎゅう詰めで、一本やりすごすことにしました。臨時便が一時間に2本ばかり増発されているようで助かります。
まず目指すは、大原・三千院です。
大原・三千院
大原は京都市を北東に外れた盆地の中の小さな地区で、ノンビリしてなかなか良さそうなところだったのですが……何せ、週末の今日は観光客だらけで大変でした。
超有名どころの三千院も、朝から人で溢れかえっていました。あんまりノンビリしている心持にもならず、なんだか、早々に走り抜けたといった感じ。
次、栂尾・高山寺。
栂尾山・高山寺(とがのおさん・こうざんじ)
いったんバスで京都駅まで引き返して、別のバスに乗り換えました。京都駅前のバスターミナルも長蛇の列が何本も出来ていて、いつまでもいつまでも駅から人が吐き出されてきているようです。どうにか栂ノ尾行きのバス停を見付けると、臨時便が出発する直前でした。座席も一つ空いていたので、係員の方から切符を買って乗り込みました。
うねうねした山道を一時間ほど走って、目的地に到着。バスも大混雑なら道路も大混雑でした。しかし、目指す高山寺の山の中に入ってみると、意外に人が疎らでした。
山の中に静かに佇む色々な建物が良い感じです。山を一通り歩いてから、バス停に下りて行きました。相変わらず行列です。ここでも一本やり過ごす羽目に。
次、嵐山・大覚寺。
旧嵯峨御所・大本山・大覚寺
公共交通機関にこだわると、ここのところの移動で無理が生じます。来たバスで途中の平岡八幡まで引き返し、そこから山道を歩いて下って大覚寺に向かうのが良かろうと、大混雑のバスを独り抜け出して歩き始めました。さすがに僕の他には誰も歩いていません。
30分ほど歩いて大覚寺に到着。数々の建物を回廊で巡れるようになっていて、落ち着いて観覧が出来ます。それほど人も多くありませんでした。
で、お隣にある大沢池の畔にも行ってみました。
するとそこで、何やらドラマだか映画だかのロケーションをやっているのに出くわしました。
時代もののようですが、はて? と思って見ていると、動き回ってるスタッフの中に 背中に「逃」と大書きしたジャンパーを着ている人たちがいます。ピーンと来ました。これ、「逃亡者(のがれもの)おりん」の撮影だ。なんと。(と言いつつ、僕はまだ見たこと無いのですが……)
撮っていたのは、何やら慌てた様子の若い男が「どけどけー!」と叫びながら 道を歩くおりんの方へ走ってくる、というわずか5秒くらいのカット。おりんさんは、カットの最後のところでカメラの前に少し進み出るだけ。それを何度も繰り返してました。撮影ってのは、時間のかかるもんですね。これ、いつ頃放送するエピソードのシーンなんでしょうか。なるほど、こういうところでロケしてるわけか。しかし、スタッフの数と言い、機材の多さと言い、撮影の緻密な進行具合と言い、ちゃんとしたテレビ局が真面目に作ってるドラマなんだなというのが良く分かります。(出来上がりはB級だとしてもね)
ここまで読んで、分かる方はお分かりでしょう。デューク・エイセスの名曲「女ひとり」の歌詞に出てくるお寺を順番に巡ってみたわけでした。止むに止まれぬ衝動に駆られて。しかし、どこに行っても人だらけで、あまり男独りでどうのこうのという風情にならなかったのが残念です。
(ま、それ以前に、一日で全部回ろうってのが無茶な話なのですが)
さて、お寺めぐりは一段落です。せっかく嵐山に来たんですから(歌詞は「らんざん」、駅名は「あらしやま」)、ついでに渡月橋にでも行ってみますか……
もうね、ものすごい人の数。通りに出てこの光景を見ただけで、いっぺんに元気が萎えました。癪だから橋のところまでは行きましたが、渡ることもせず、川辺にぐったりと座り込んでしまったのでありました。
その後、嵯峨嵐山駅から電車に乗ろうと思ったら、ここでも切符を買う果てしない列。本当は京都駅まで戻って、で、近所の食堂でご飯でも、と思っていたんですが、無理です。「京都市内→東京都区内」の帰りの切符で乗り込んで、そのまま京都駅で弁当を買ってから新幹線に飛び乗って帰ってきてしまいました。
やはり超有名観光地には平日に行くのが良いようです。平日休みのシフトが懐かしい今日この頃でした。